一昨日、昨日と「風の家」に行って来ました。
一昨日は現地調査のため。
実は、「風の家」は市の空き家バンクに登録しました。
空き家を有効活用しようとして来たわたしたちも
そろそろチカラ尽きて(燃え尽きて?)
維持もなかなか難しくなってきたのです。
誰も住まない、使わない空き家はいつか、誰かが処分しなければなりません。
それは現在の名義人である兄と管理しているわたしたちの役目です。
東京に在住する兄の息子や孫に残し、負担をかけるわけにはいきません。
なので、家が元気なうちに売却することに決め、とりあえず不動産ではなく、管理のしっかりしている市の空き家バンクに登録したのです。
そのための先日、市の担当者と不動産協同組合の中の担当者3人が訪れて、現地調査を行いました。
まずは敷地から。裏山に上り、改めてみなさんしみじみと驚く。
なんせ「文化財(古墳)付きの家」は初めてのようで(笑)
前列がなさそうで歴史史料館の方に問い合わせまでしたらしい。
「売却は可能ですが、ちゃんと文化財付きと明記してください」とのご返答だったようで。
なんかエラソーやん(ーー;)
いや、そもそも私有地にたまたま古墳があったからって、あとから勝手に「県指定の文化財」にしたのはそちらでしょう。
と、胸のうちでひそかにホザく(笑)
そのあと家を内覧すると、なんかみなさん、静かに感動していまして…
「薪ストーブですか、いいですねえ」
「ウッドデッキですか、いいですねえ」
「レトロないい雰囲気ですねえ」
と、なかなか感触は良さそうです。
普通、登録写真は、空き家は何もない状態で撮る方がいいらしいのですが、この家は雰囲気があるので、家具などを置いた状態で撮った方がいいでしょう。
と、言ってくださり、担当者の方がスマホでパチパチ写しておりました。
ホームページに掲載される写真と聞き、あわてて
「あの、これ改めて写真写してデータをお渡ししていいですか?もう少し整えたいので」と聞くと快く承諾してくれました。
かくして、昨日撮影隊がふたたび「風の家」へ(笑)
快諾してくれたお馴染みのカメラマンAちゃんと、
なんと空間プロデューサー(笑)のM氏も参加してくれ、楽しい3人プチ旅になりました。
まずは早めのランチを(田舎町とは思えない笑)素敵なカフェで
日替わりランチはチキン南蛮
わたしはパスタ
お店は広く、スタッフも感じよく、ランチは超うまし!でした。
腹ごしらえを先にしたからか?(笑)このあと2人は大活躍!
Aちゃんが外観や
裏山を撮ってる間
M氏が素敵に部屋をレイアウトしてくれ
2人でああだ、こうだと話し合いながら
カメラに収めてくれました。
特にAちゃんは職業病か、プロとしてのこだわりか…
「あのティッシュケースは色があるので外してください。あ、そこにあるゴミ箱も向こうへ」
って、まるで住宅雑誌の撮影のごとく本気だして、
M氏も、わたしが小物でも置こうとすると、
「ダメ!そこは無い方がシンプルでいいの!」
とダメ出しする。
いや、楽しみながらも、お二人の熱意にマジ感謝です。
たかが空き家バンクのホームページ掲載だけにそこまでするか?とお思いでしょうが…
わたしは、「そこまで」したいのです。
この家は、ほんとうに愛されて来た家でした。
両親が生きていた頃から…
特に養子だった父は、自分が初めて手掛けて建てた家だからか(以前の家は母の父が建てた家)とても愛し、この土地ごと慈しんでいました。
祖母の葬儀も、両親のお別れ会もこの家でした。
両親が老いていた時は、兄が庭に手をかけ、世話をし、
「風の家」となったあとは、やはりこの家と土地が大好きになってくれた相方が仕事の合間、草刈りや大工仕事まで手をかけてくれ、2人で工夫をして、「風の家」づくりは、たくさんの人たちが協力のもと実現しました。
そのあとからは、さらに数多くの人たちが訪れて、みなさんから「いい家ですね」と褒められ、愛されてきました。
そんな愛された家だからこそ、手放す時も愛がいっぱい詰まった「今」がいい。
ボロボロになった廃屋で人手に渡したくない。
丁寧に、ピカピカの写真を撮って愛を込めて自慢の家を紹介して送り出したい。
そうすれば、きっとこの家を愛する人に渡るだろう、と思うのです。
真剣に撮影してくれるAちゃんに、そこまで写さなくてもいいよ、と言うと、
「いえ、これは掲載写真だけでなく、K子さん一家の思い出の記録となるように撮らせて頂きます」
と言ってくれ、なんだか涙が出そうになりました。
ほんとうに、こんな幸せな家はありません。
何ヶ月先か、何年先になるかわからないけど、
どこかに「風の家」といい縁を結んでくれる人がいますように、と祈ります✨