わがまま上手

昨日、所用で、久々に森に棲むグラフィックデザイナーの大御所(と、書いたら毎回怒られる)S先生が来訪。

 

いつもの地卵を持参して来てくれたので、コーヒーを淹れてしばらく近況と雑談など。

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先生は二拠点生活をもう、10年以上続けているわけですが…

そんな生活でコミュニケーションの在り方…というか、人との付き合い方が変わったという。

 

端的にいうと、付き合いの断捨離。

 

これはコロナの閉じこもり生活を余儀なくされて、気づいた人も多いでしょうが、歳を重ねていくと、また自然と気づき、身に付くこともあるようです。

 

礼儀、義理、建前のための付き合いは、もういいと。

 

どんなに親しい人でも、お世話になった人でも、わざわざ声掛けてくれても、誘われても、

惹かれないコト、モノには、丁寧にお断りしているそう。

人混みや、人の集まりも極力避けているよう。

もちろん、行きたいと思ったところには誘われたら出向いていくし、行きたいところがあれば一人でも出かけて行くという。

先日も一人で山に登ったし、この日も、市美術で開催中の大好きなデザイナー堀内誠一の展覧会を観るために出向いて来たそう。

 

かと言って、人をシャットアウトしている訳では決してなくて、森のアトリエまで訪ねてくれる人がいると歓迎する。

ご近所の(っても、はるか遠い近所)おばちゃんも庭にいると声掛けられて立ち話なども。

そんな「縁」の人は、ちゃんと気が合うから楽しいらしい。

現にわたしたちがアポなしで、突然訪ねて行っても、いつも快く歓待してくれる(黒猫はサッと敬遠するけど(^^; )

 

先日も昔のブログを機に知り合って何回かふらりと訪ねてくる「旅人」の方が今度はまた違うお友だちを連れてきて、楽しい時間を過ごしたようです。

 

「ワガママだけど、もうこういう付き合い方しかできない」と、先生。

 

いやいや、それが一番自分に優しく、心にも優しい、正直な生き方なんだと思う。

大先輩の(「大」でもないか…笑)話を聞いていて、思えばわたしもだんだんそうなってるな、と思った。

 

お付き合いだから、お世話になってるから、

せっかく声掛けしてくれたから、

気分を悪くさせたくないから…

こういうので動くことは、だんだんなくなってきた。

 

前回も仲良しのNさんから、展覧会に誘われたけど、「ごめんだけど、それは興味ないからいいわ」と断った。

それで気を悪くするような人じゃないことも知ってるし、気を悪くするような人だったら付き合っていない。

 

わたしの場合は、これにその日の「気分」や「体調」も加わるから、さらにワガママになる。

だから極力、その場しのぎの約束をしないし、ドタキャンを許してくれる人がいい。

もちろん、わたしも相手のドタキャンを許している。

 

そうやって、自分のワガママを先ず自分が許し、そして、その結果を受け入れる。

そんなことが、でき出したからこそ、ワガママ上手でいられるのだと思う。

 

我が家を訪ねてくれる人たちも、気持ちいい気楽な人ばかり。

リアルに人と会うことが、一番の情報交換でもある気がする。

 

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楽しい雑談をしたあと、元気な70代は、このあと本家(笑)の庭の剪定に向かうそうです。