実は昨夜、姉と兄との三者会談で抗がん剤治療かホスピス行きかでもめていた。
実は今朝、一応あわてないためにと、姉と密葬の準備について相談していた。
実は今日、医師に単刀直入に母の現在の症状と余命を聞こうと考えていた。
ところが!!
ところが…である。
今朝病室に入った母は、しっかりと目を見開き、まだ東京に残っている私に向かって「どうしたの?」とはっきりとした声で聞いてくるじゃないか。
ま、まさかの復活??
もちろん、まだ食事もできず点滴状態ではあるのだけど、意識が錯乱し、目は天井を見つめ、あーあーとわけのわからない言語を発しながら暴れていた頃に比べると、もう雲泥の差である。
話しかけても話しかけても目を閉じて、こんこんと眠り続けていた頃を思うと、まさに甦(よみがえ)りとしか言いようがない。
う〜む…。
人間って言うのはわからんものだ。
この世代の女の生命力ってのは並みじゃない。
いっやあ〜こんな母を見れるなんて! 2日延期した甲斐があったというものだ。
思えば、母の初めての手術のときも同じように、手術で覚悟をしてくれと医師に言われ、その夜、父は立ち上がれないほど落ち込みながらも、兄と葬式の話をしていた。
その後、1週間がヤマと言われていたが、3日で見事に復活し、医者を驚かせた。
母を生かせたければ「葬式」の話をするってか?(笑)
これは母の、「生きたい」というハッキリとした意思表示だと思う。
たとえ、これから来る現実を受け入れるという試練が待っていようとも、行きつ戻りつしながらも、母の魂は「生きる」ことを選択したのだ。
さらに…
兄にもまた、厳しい現実が迫ってくる(事実、復活した母を前に兄は複雑な表情を隠せなかった)。
介護の問題、治療の問題、経済の問題、母との対話、医者との対話…などなど、モンダイは山積みだ。
向き合うことを常に避けて来た兄も、また試練が始まるのだろう。
まあ、人生ってことだよ、これって。
生きてこそってことだよなあ〜と、しみじみ。
母の底力のDNAを継いでいることを願うのみ。
ほんとうに感謝、感謝!