旅立ち。

通夜の夜や葬式などは、争いが多くなるそうだ。
特に身内の中で…
溜まっていた膿を出すように、潜んでいた思いや抑えていたものを一気に吐露して、いがみ合いになってしまう。
それを死に人(びと)は黙ってあちらへ持って行ってくれるそうだ。
本当の話かどうかわからないけど、
確かに吐露したあとは、なんだかスッキリ。
そして、初夏の涙雨の今日…
母を荼毘に伏した。
今、すべてのことに解放され、自由になっただろう。
人生を卒業した母は天へ、残された私たちは現(うつつ)の世界でまだまだ先の道へ。
これから、
お互いの旅が始まる。