いのちの本づくりプロジェクト

それは、ある出会いから始まった。
取材でともだちになった女性から誘われて、ある女性たちの食事会に出かけたのは今年の初春だったか?
そこに集った女性は、ヨガ、心理療法士、料理研究家から、農場経営者、助産師セラピストまで、さまざまなプロフェッショナルたち。
かなり意識も高く、みな聡明で、それでいてナチュラル。はじめてだったけど、すんなり話しにも入れて、とても気持ちよかった。
その中の一人、助産師セラピストの女性がフェルト作家と一緒に、人が生を受けて、世に生まれるまで10ケ月間を本にしたいという。
使用するのは、フェルト作家が作った胎児の人形10体。その胎児を通して、いのちの尊さ、人の原点、こころの宇宙など、精神世界も含めた本を作りたいとわたしに相談を持ちかけた。
すぐにノってプロデュースを引き受けたのは、あの食事会のとき、このうちの誰かと仕事をしたいと強く思ったこと。こんな手作りの仕事をしたかったこともあったから。
こんな気持ちと言葉がすんなり通じるおなじみのS先生と、長年仕事をしているKカメラマンを巻き込んで、このプロジェクトが始まったのは、4月だった。
月に一度、ていねいな打ち合わせをしていくというゆっくりしたペースで、コンセプトが決まり、発行時期が決まり、ていさいが決まり、ページネーションも決まり始め、だんだんカタチが見え始めてきた。
そして、今日は撮影日。主役となるフェルトの胎児人形を撮ることに。
雨の中、朝からKカメラマンのスタジオに集って、スタートした。


(高い位置から撮影するKカメラマン)


(みんなソワソワうきうき、そして真剣)

今までどこにもなかったアプローチの、いのちの本。
これからが編集作業の出番だ。本づくりの中のいちばん大変で、いちばんおもしろい時間。
また、くるしたのしい「仕事」が始まる。
今、この仕事ができることに、この先に待っていることに感謝したい。