インターネットが普及していなかった時代の観光や企業PRは、ほぼ印刷媒体のポスターやパンフレット、リーフレットに頼っていました。
クリエイターたちは、新聞広告や、観光ポスターが腕の見せどころとばかり、エネルギーを注いていたからか、本当に美しい「広告物」が作られていました。
コピーライターも、それはそれは忙しく、企画から、コピー、撮影までこなしていました。
このわたし自身でさえ、大分県内、至るところで貼られたポスターやパンフレットに、自作のコピーを何度、見かけて赤面したことか…(笑)
やがてバブルが弾け、広告も斜陽になり、ネットが普及し始めると、広告はチカラをなくし、クライアントは、コピーやデザインの「美しさ」よりも、「効率」と「利益」を主に求めるようになってきました。
当然、ポスターの仕事もめっきり減りました。
だからこそ、今回の純粋なポスターのお仕事依頼は、本当に珍しいのです。
しかも元はウェブの映像。
ウェブができた時点で、より広く広めたいからと、クライアントがポスターも制作してほしいと制作会社に依頼。
わたしは丸投げされ、コピーだけでなく、プロデュースも請け負いました。
ポスターとなれば、やはり信頼の置けるデザイナーS先生と、お気に入りのカメラマンAちゃんを手配。
以前ブログに載せたように、大分ならではの美しい場所を撮影に回っています。
今回は、夕陽の撮影。
ちなみにプレゼン用ラフはこれが採用されました。
このラフ通りの撮影となれば、やはり場所は、「日本一の夕陽」ポイントと言われる真玉海岸しかありません。
お天気と干潟になる時間帯と納期と、カメラマン、デザイナー、わたしのスケジュール、すべてがいい日を考えると、今日の1日のみ。
少しガスってはいたものの、午後から晴れ始めて、日没を撮りに、いざ、北へ向かいます。
S先生のアンティーク車、キャトルでガタゴト…出発。
まず、田園の美しい豊後高田市の「田染荘(たしぶのしょう)」を撮影。
全景が見えるよう山に登ります。
ひぇ〜っ、階段きつい〜(^_^;)
ここは夕陽と朝陽が拝める両方のスポットがあります。
山に登ると…
鎌倉時代から変わらず残されている貴重な美しい田園風景が一望できます。
「ここも緩やかな棚田なんだ…」と説明する先生
集落も絵になります。
無事に撮影を終えました。
ここから、車はさらに北へ。
日没を目指して進みます。
そして、たどり着いた、真玉海岸。
すでにアマチュアカメラマンが夕陽撮影のため、集まっています。
干潟を黄金の光が包み始めていました。
刻一刻と色を変えて…
あっと言う間に満潮に…
この絶景を眺める場所にある「夕陽カフェ」。
この家族にモデルになって写って頂きました。
このカフェの名物は、夕陽だけでなく、蕎麦どころ豊後高田市とあって、主人の手打ち蕎麦。
今日のメインイベントである夕陽撮影が無事終了したこともあって、最後は蕎麦で締めくくります!
テラスで日没を眺めながらの蕎麦定食はサイコー🎵
撮影を終えてホッとしたAちゃんも美味しそうに頬張っています。
なにもかも順調に運んだ、今日の撮影。
田染荘も、真玉海岸の写真も映像も、今まで何度も目にしてきたけど、実際の目で見ると、感動もひとしおでした✨
カメラマンAちゃんは何度も仮撮影に行き、S先生は何度もロケハンに行き、わたしは何度も制作会社と打ち合わせや交渉をしてロケハンや撮影にも。
おそらくわたしたちはギャラ以上に動いているだろうと思うのですが、ギャラ以上の何か大切なものをそれぞれが得ているのも確かです。
少なくともわたしは、仕事でなければ絶対にここまで来なかっただろうなあ〜
あのコピー全盛期には感じなかった、充実感と豊かさと新鮮さを感じました。
撮影は残すは、あと1点のみ。
さて、次回はどんなドラマと美味しいものが(これ重要! 笑)待っているのかな?
楽しみです🎵