巡り合わせ

早くも「風の家」の桜が咲き始めました。




まだ風は冷たいけど、「風の家」の庭は、もう春の装いです。










さて。
月始めの「食とアロマのコラボ」イベントから、先週行われた色彩心理セラピストによるカラーイベントも無事に終了。
お会いしたことのなかったセラピストさんですが、ホームページをご覧になって「ぜひここでやりたい」と思ってくださったようです。
終わったあとも、「ここはほんとうに気持ちいい。次回もぜひやらせていただいていいですか?」と言ってくださり、ほんとうにありがたい。

ラストは、前回のブログでも予告した「風の家」始まって以来の大イベントです。

なんせ県内じゃ有名な織りの作家さんですから、どんだけ人が来るのか予想も付きません。
頼りの相方は、只今PM2,5の真っ只中だし…(泣)



来週帰国して、2日滞在して、今度は、すぐにまた台湾へ出発。4月まで帰って来ませんから、準備も当日もほぼ1人でイベントをこなすことになるわけです。
もちろん助っ人は来てくれますが、主人のわたしがシッカリしていないといけません。
とにかく、やるっきゃないです!
なぜなら、このカフェをやる当時からこのイベントだけは、わたしの中では決まっていたことですから。

というのは、「さをり織り」の作家さん、実はもう10年も前に取材したことがあるのです。

大阪からのIターンである彼女は、当時、陶芸家のご主人と山の奥深くに住んでいました。
道無き道を車で行き、やっと辿り着いたその先でとびっきりの笑顔で迎えてくれたのが、その作家さんでした。
家は古家で、暮らし向きも決して楽とは思えないのですが、彼女は実に楽しそうでした。
「ハタを織ってるときわたし、笑ろうてますねん。楽しくておもしろうてハタ織りながら笑いが止まらんのですわ」
そう言って、また笑う彼女の作品は、その歓びがそのまま現れたような、見るからに生き生きとした色、カタチ、素材でした。
なんの決まりもなく、感性のままに自由に織る織り方を「さをり織り」といいます。
「さをり」は彼女そのままでした。



ああ、こんなふうに仕事ができたら、こんなふうに生きられたら、どんなに幸せだろう。
そのときから、彼女はわたしの指針になっていた気がします。

このカフェを開いたとき、わたしには2人の人をここに呼び、この家で展示会をしてもらいたいという夢がありました。
1人は、全国的にも有名なアーティストなので、わたしにはルートもないし、手も足も出ません。
だけどなんとなく想っていてばどこかで出会うかもな、くらいに考えています。
が、もう1人の織物作家さんは県内ですし、一度会っているわけだから、どこかで再会することもあるだろうな…と思い、別にアプローチをすることもなかったのです。
それよりカフェの運営の方が先でしたから、イベントは2の次。
…のつもりだったのですが、開店して間もないある日、ふらりと訪れた男の方が、長居していらっしゃいました。
その方がFacebookをしていて、なんとその作家さんとお友達だったのです。
そして、彼がFacebookで「風の家」を紹介した投稿にその作家さんがコメントを寄せていました。
「気持ちの良さそうなところですねー」
彼のコメント返しにはこう書かれていました。
「あなたの作品展をここ「風の家」で開いたら似合いそうですよ」

もう、わたしが動かずとも、家の風が吹いてくれていました。
あとはお客様である男性を通じて作家さんと再会。トントン拍子で一番いい時期、いい季節に展示会をすることになりました。

この巡りあわせには感謝しかありません。
さらに驚くことに、その作家さん、わたしが呼びたいと思って、かなわないアーティストの方ともお友だちだったのです。

ますますの巡りあわせに驚くやら感激するやら…。
でも、なんだかもう驚かなくなった気がします。
この「風の家」には、そんな出逢いを起こさせる特別な何かが潜んでいる気がするからです。

桜の咲く頃、また素敵な物語が生まれそうです。