「花とケーキと器」たち報告

「こんなギャラリーも、こんな企画もどこにもないなあ」と感心しながら写真を撮っていたのは福岡から来た男性。初日のオープン10時前にやってきた。
そのあとからから女性が一人。
「坂の下の看板を見て。ときどき何かやっていたでしょう?センスのいい感じで前から気になっていたんです」と飛び込みのお客様。
センスのいいポスターは、グラフィックデザイナーのS先生によるもの。だからこそ目立つんです。
その後、次から次へと後を続くではないか。
知った顔、常連さん、初めての人…とさまざま。
部屋は作家の作風に合わせて3つに分けた。一部屋は「アリスのお茶会」でロマンティックに。二部屋目は「ファームのイースター」、三部屋は「春の和」。
演出のメインは生け花アーティストのM氏とC子。そのクォリテォーは増すばかり。
だけど、今回がんばってくれたのは初参加のパティシェ。


(「紺や」のパティシェ平山美佳ちゃん)

たった一人で店を切り盛りする間、わたしたちの要求にがんばって答えてくれ、それはそれは美しい作品用のケーキを作ってくれて、カフェ用のケーキを提供してくれた。
その成果もあって皆さまから、さまざまな感想をいただいた。
「おちつくなあ〜ここは」
「スゴイ!ケーキなのか花なのかわからない。アートだと思った」
「花とケーキと器のコラボが新しいと思ってきたかったんです」
「家の中が見るたびにちがう。だんだん進化するねえ」
「こんなときこそイベントはやるべきだよね」
「こんなきれいな時間が今、必要だと思った」
震災のニュースが日々続く中で、楽しんじゃいけない、笑っちゃいけない、無駄はいけないムードが日本中を包んでいる。
被災地の過酷な状況も現実なら、日常でふつうに生きることも現実だ。
何の役にも立たなさそうなものが、じつは人のこころを支えていることだってあるのことを改めて知らされた思いだ。
わたしたちの予想をうらぎってたくさんのお客さんが足を運んでくれ、ここで、感動して、よろこんで、器を買い、ケーキでお茶してくれた。
わずかな収益金が北へ、明るい春のようなパワーとともに届いてくれればと願う。

今回、ありがたいことに映像会社の社長であるA氏がカメラを引っさげて、奥様のK子さん(実はわたしの同業者)と一緒に来て撮りまくってくれた。
そのできばえの美しいこと!
本物より3割増しの美しさではあるけど(笑)、ごらんあれ。