親トモからの招待

親友と書いてシントモと読む。これは、親戚でありながらともだちという、わたしが作った造語だ。
最近、この親トモが増えた気がしてとてもうれしい。
親戚だから仲がいいとは限らない。むしろ、親戚だから、好きでもないのに仕方なく付き合っていることが多い。
とても気があって大好きで、その上、親戚でラッキー!というのが親トモだ。
わたしの親トモ第一号は、古くはわたしの父の姉の娘。つまり、わたしの7つ年上の従兄姉だ。
わたしが悩める繊細な(笑)10代の頃、よく遊びに行っていて、いろんな話を聞いてくれた。
なぜか、二人とも映画好きで俳優の好みも、本の好みも同じ、おまけに物書き(童話作家)で、おまけに晩婚で、おまけに年齢差のある年下男と結婚し、夫が海外青年協力隊というのも、まんま同じ。
もっとスゴイのが、その夫が10年に一度も行かないという協力隊OB会に、たまたま出たとき初めて聞いた講演が、帰ったばかりのうちの相方(まだわたしが会ってもいない時代)の講演だったいうから、縁は不思議なものだ。
その親トモご夫婦から、週末に招待された。
「おいしいお魚を食べにきませんか?」
よろこんで招待を受け、田舎家から、従姉夫妻が住む海の町へ。
初めて訪れることもあってあか、ご主人のMさんがわざわざ玄関で待っていてくださった。
このMさんは竹細工職人。ほとんど工芸品とも言っていい作品を作る。
作品は、繊細で美しく、ていねいでまじめ。まるでMさんのようなものばかり。
そのMさんが腕をふるって朝イチで新鮮な魚を選び、裁いてくださった刺身を主に、従姉妹の手料理も並ぶ。


(今が旬というチヌとトビウオの刺身。ううううまい!)


(ローストビーフにそらまめがおいしい)

職人やフリーランスはなんでもうからんのだ!という自営業談義から、協力隊の話から、昔はなしから、なれそめ話から、会話は夜まで続き、話は、どんどんはずむ。最後は相方とM氏の“困った家族”を持った不幸披露話にも展開したりして(笑)。
おいしい食事を挟んだせいか、なんだかぐんと距離が縮まった気がする。
そう言えば、きっかけは、やはり相方の作ったパンやピザの食時だったような。
去年従姉たちを田舎家に招待してピザや塩豚をごちそうし、それから両親が亡くなり、また会う機会が増えたりして、距離を縮めていった。
やっぱ、おいしい食は、おいしい関係を作るんだ、と実感。
「今度、ざっくりとパンかごを編んでおきますよ」とMさん。
ン十万の作品を作る竹工芸作家に言われたのだから、相方がこおどりしたのは(わたしもだけど)、言うまでもない。