ドタバタの大晦日に想う

今年も無謀な大晦日を迎えてしまった。
そもそも前日の30日の3時にマンションで編集会議を入れてしまったのが間違いだったかもしれない。
その日、私らは例によって田舎ハウスに滞在。上京する前にきれいに大掃除したかったし、最後の粗大ゴミも捨てたかったのもある。それに相方は東京に持って行くそばを打ち、土産のパンも焼いておくはずだった。
だけど、それはすべて未定の予定。相方は早起きしてそばは打ったものの、早起きし過ぎて2度寝をし、私はと言えば昼近くまで寝てしまった。
かろうじて粗大ゴミだけは集めたものの、年末のゴミ焼却場の混雑具合を想定していなかった。細い道を抜け、軽トラの列に並び、待つ間、会議の時間は刻々と迫ってくる。やっとのことでゴミを処理し、大通りに出たものの次は渋滞。当然、会議は思いっきり遅刻。なんとか時間を延ばしてもらい、ぎりぎりのセーフ(汗)。
ところが30分遅れて始まった編集会議。次回のテーマを決めようにも、企画になかなか担当者が首を縦に降らず、暗礁に乗り上げてしまった。
県の担当者、デザイナー、カメラマンとライターの私、4人の間で続く沈黙。刻々と過ぎてゆく時間に私は少し焦っていた。実はこともあろうか、この後に、相方の友人たちとの飲み会を入れていて、その時間が迫っていたのだ。
相方も焦っていたはずなのに、会議の間中、もくもくと東京に持っていく土産用のパンを焼いていた。のだけど、我々の沈黙を和ませようとしたのか、なんと焼き上がりのパンを差し入れしてくれるではないか。焼きたてのベーグルを食べたからか、その後企画はスムーズに決まってくれた。ありがたかったけど「おいしかったぁ」の声に気をよくして相方はお土産と称して、すべて気前良く会議のメンバーたちにあげてしまった。
みんな大喜びだったものの、これから即、飲み会に行かなければならない。肝心の土産用のパンは、いつ焼くのよ?
相方曰く、「大丈夫だよー、飲み会から帰って焼くよー」といつもの根拠のない自信ありの言葉。
奴の酔いどれ状態を知っているだけに絶対無理…と、すでにあきらめ気味の私。
案の定、久々の友人たちとの再会だったせいか、2次会、3次会まで付き合い、数杯以上もの生ビールでつぶれ、飲み会から帰宅したのは午前1時。
「もうパンはいいから、明日の朝早いんだから寝てくれ」と哀願するのも聞かず、相方は意地になってか、根性でか、半分夢の中なのか、なんと意識不明寸前状態で16個のベーグルを焼き上げてしまった!
寝たのは午前4時。翌朝の10時の飛行機に乗るには8時には出なくていけない。起床は7時前…には起きれず、かろうじて7時半。バタバタと出かけ、まだ二日酔いの気分のままの相方の運転で車をぶっ飛ばす。意外と空いていた道路に楽勝だったねーと喜んだものの、チェックインでまたまた事件!
JALカウンターで提示したチケットを見て、JALのおねえ様が言うには、
「お客様、これは昨日の30日の日付になっておりますけど…」
ええええーーーーーーっ?!マジっ!?! なんでっ?全く確認すらしていなかった。
真っ青になってる私らを気の毒に思ったのか、「普通はキャンセル料がかかりますけど、今回は券の修正だけでこのままで構いません。次回からは気をつけてくださいね!」と念を押され31日に切り替えてくれ、なんとか無事に乗れた。
当然、どっと疲れて東京までの飛行機も、母の住むT市までのバスでも完全に意識不明。母と感激の再会をしたものの、その後すぐに相方も私も父の位牌前で再び爆睡!
東京まで来てこれでいいんかい!
いいわけがない。
ぐっすり眠った後は、紅白歌合戦前に空港で買って来た故郷の味で「父」と母と年越しの食事をいたしました。

(栗おこわご飯と関あじ寿司で)    (父も一緒に大晦日の晩餐)
   


相方の手作りソバはここに持ってくる間に大半が団子になってしまった(笑)。
                 
ちょちょ切れたのを救って、なんとか年越しそばをいただく。
父が大好きだったそばを供えて、なんとか無事に年を越せそう。


毎年の年末、いつも思うことだけど、今年こんな年になるなんて、去年の今頃誰が想像しただろうか?
父の発病、両親との同居、両親の引越し、相方の会社の不況、本の制作、田舎暮らしの生活、相方の才能開花(笑)、そして、父の死。
こんなにもいろいろあったけど、いろんな意味で充実していた。ドタバタしながらも我々ながらその時々でできる限り頑張ってきたと思う。
だけど、過ぎてしまえば、「何かあったっけ?」くらいに、いい意味でもう過ぎ去っている。
来るものに逃げずに立ち向かっていれば、後に残るのはすがすがしさだけだ。
哀しみも寂しさも、楽しさも喜びも、生きて、生かされているから経験できることばかり。これはもう、ただただ感謝しかない。

父さん、そして、みなみな様、本当にありがとうございました。
今年も生かしていただいてありがとうございます。

さてさて、来年はどんな体験をさせてもらえるのだろう?
2009年も謹んで、贈り物をいただこう。