今年一番長い日

その日は、母の入院日だった。
大腸ガンで人工肛門になっているだけで人より大変な苦労を80歳近くで背負い込んでいる母に、さらなる追い討ち。
それはガンの転移。しかも、場所は骨盤という、かなりな危険地帯。手術もイチかバチかの難度が高いというが、このまま放っておくと、もちろん死に至るが、それまでの間、死ぬほどの痛みが襲うというのが、この骨盤という場所なのだ。
だが、この先、まだまだやりたいことがある母の生きる意欲は強い。だからこそ、危険を承知で家族も友人も医師も手術を勧めた。
この体力と気力なら大丈夫だろう!と。
で、手術が決まり、その日…まあ、昨日だけど入院日となった。
が、悪いことに、介護に当たっていた兄がその日に限って他県に所要で数日泊りがけで出かける予定が入っていた。
脳梗塞で足元がまだおぼつかない父を一人にしておくにはいかない。
母の病院にも近い、私が引き取ることになる。
その日は、兄が出かける途中に母を病院に連れて行き、私が父を実家まで向かえに行く計画になっていた。
しかし、計画とは常に崩れるものだ(特に私の場合)
なんと、うちの相方がついに倒れたのだ。
最初はいつもの単なる風邪のはずだった。1日病院に連れて行き一晩休めばなんとかなると思っていた。しかし、その夜、見たこもない熱を出した。
9度9分!
ってアンタ、子供じゃないんだから…
あわてて熱冷ましを飲ませ、一時的に下がったけど、またまた深夜に熱発。その上、息も出来ないほど一人で苦しんでいたらしく(私は気づかず爆睡!)私が気付いたときには、救急車を呼んでくれと言うほど。
あわてて飛び起き、病院に運び込み応急処置をして、なんとそのまま入院に。高熱は異常に腫れた扁桃腺かららしいが、炎症の起こしすぎで白血球が異常に増えているらしい。
昨日から熱は上がったり、下がったりで、本人もぐったり。入院は今週いっぱいになりそうな気配だ。
しかし、まあ、人生何が起こるかわからん。父を預かり、母と相方の病院を往復することになろうとは!
けどねえ…これって、大変にしちゃえばタイヘンなんだろうけど、大変になっていないところがありがたいことなんだよね。
もちろん原稿は書けないけど、取材は来週からだし、何とか兄との連携でどうにかなったし、相方もいい環境の病院に入れたし、母もとても元気だし、父もうちで上機嫌で暮らしてくれている。
タイヘンごとなんだけど、大変にならない(しない?)って、気持ち次第だなあ…って改めて実感。
それよりタイヘンなのは発行月の決まっている本の原稿と確定申告よ!これは確実に自分で大変にしている…(泣)
人生、何が起こるかわからないんだから、早くやっておけよ!
って、今頃、自分に突っ込んでいる私である。
来る19日。母の手術日と相方の退院日。
とにもかくにも、何も起こらない1日でありますように!