「風の家」は週末カフェから、いつの間にか年に3、4回オープンする民家ギャラリーにフェードアウトしてしまいましたが、それが今のわたしたちの生活に会っているので、当分このペースでやっていきたいと思っています。
で、今年初の「風の家」イベントは、水彩画家の藤原香奈さんの作品展です。
彼女の水彩画を初めて見た時の衝撃を今でも覚えていますが、香奈さんは絵そのままの人。
裏表もなく、まっすぐで、素直で、常に真摯に作品に向かっています。
彼女の作品を見たその時から、いつかうちで開いて欲しいと密かに思っていました。
だけど彼女はプロの水彩画家で、ファンも多く、いつもキチンとした画廊で開いていました。
大分でもかなり目利きのギャラリーのオーナーが一目見て、彼女の作品展を毎年開いていたというほど。
そんな彼女にうちで開いてとはなかなか言いづらかったのですが、実は彼女の方も、
「「風の家」さんで作品展をしたいけど、わたしごときがやりたいとは、なかなか言えなくて…」
と、思っていたそうで(爆)
それが今年の春、やっと実現したのです。
昨日DMが届いたので、早速それを渡しに香奈ちゃんと打ち合わせをしてきました。
美しいDMはもちろんDAR VIDA(ダルヴィーダ)のS先生作です。
打ち合わせは美術館のカフェで。
カフェラテ350円、高けえぇー!
「あんなに美しいDMを作ってもらって、気が引き締まりました」と藤原香奈ちゃん。
今回20点ほど用意してくれたようで、額縁に入った見本を持ってきてくれました。
「ギャラリーではなく風の家さんのような空間で作品展をするのは初めてです。だから、家のリビングに飾るように絵を置いてもらいたいんです」と、ありがたいことを言ってくれます。
28日にまたM氏にお花と空間プロデュースを頼んでいますが、彼女も「自分はセンスがないので先生(M氏のことらしい 笑)からディスプレイを学びたい」というので、搬入もその日ということになりました。
その後、彼女といろんな話をしました。
彼女は自分の言葉を一つ一つ探すように、丁寧にゆっくりとしゃべります。
そうやって前述のギャラリーのオーナーから言われた話をしてくれました。
「人は洋服には何万も使うけど、一枚の絵が何万かすると高いと言うんだ。洋服は着なくなったら処分するけど、絵は部屋に一枚だけでも飾っているだけで、毎日でも何年でも眺めていられる。それだけで幸せな気持ちになるものなんだ。そんなものを香奈ちゃんは描いているのだから、自信を持っていいんだよ」
そう言ってくれたオーナーはもうお亡くなりになったそうですが、その言葉が今でも彼女の励みになっているそう。
さらに今も時々開いている画材屋のオーナーから聞いた話では、今は額縁が売れなくて額縁屋さんが倒産しているという。額縁だけでなく、絵の具さえも売れていない、と。
世の中にはいわゆるカルチャーと呼ばれるものは増えているのだそうだけど、日常から「文化」は消滅しているよう。それも日本では特に。
彼女が作品を飾るとき「余白も作品の一部だと思うんです」と話すように、日常の中にも余白が大切で、そこにこそ「文化」が入る隙間なのかもしれない。
「風の家さんで、わたしの絵を眺めながらお茶を飲んでゆっくりした時間を過ごして、何かを感じて帰ってくだされば、それだけでいいと思うんです」
その日を想像するだけで、今からワクワクするという香奈ちゃん。
3月31日(金)〜4月1日(日)
11時〜17時(最終日〜16時)
藤原香奈水彩画展
藤原香奈が切りとるのは
日常の 永遠の 美しい一瞬
桜舞う「風の家」で
やさしい春の時間が過ごせますように🌸