CADA・VIDAの人

わたしもフリーのライター家業をしてン十年。いろんな仕事をしてきたけど、こころに残っている仕事はそんなに多いわけじゃない。
そんな中で記憶に残っているのが、CADA・VIDA(カーダヴィーダ)という新聞の仕事だ。
何もかもが恵まれていた。
地方新聞には珍しく、金は出すけど口は出さないという姿勢を貫いてくれた新聞社の担当さん、
全面的に企画を任せてくれたデザイン会社の社長、
オシャレなセンスで紙面にチカラを与えてくれたデザイナー、
美しい写真を撮ってくれたカメラマン、
そして、登場してくれた素晴らしき、普通の人々。
まさにCADA・VIDA(スペイン語で「それぞれの人生」)を取材して、魂がわくわくするような楽しさだった。
どこかでなにかに祝福されているような仕事だった。


あれから6年。
先々週、そこに登場してくれた家具作りの男の子に会った。
すると今日はやはり登場してくれたアロママッサージのKさんに会った。
彼女も、民家を利用したエキゾチックな雰囲気のサロンもぜんぜん変わってなかった。
いや、むしろパワーアップしていたかもしれない。
今はクリスタルも使い、日本でも使用している人が数少ないというフラワーオイルも使用し始め、ヒーリング効果を高めていた。          
          
          
          (ヒーラーKさん)


(クリスタルとフラワーオイル) 


(民家を利用したサロンは一日限定2組とか)          

そこで、彼女から聞いた話。
「つい先日、あのカーダヴィーダを持って訪ねてくれた人がいるんですよ」
「ええっ?もう5年、いや6年たってますよ」
「ええ、ずっと大切に保存してあったそうです」とKさん。
そういえば、あの頃、感想を書いたアンケートハガキに「保存版にします」と書いてくれた人がけっこういた。
すごくうれしかった。
勇気づけられた気がした。
いま、ふたたび新たなCADA・VIDAを独りで始めようとしているじぶんの背中を押してくれたような話だった。