サプライズ誕生日とガールズ誕生日会

あの時、ヤツはすまして言ったものだ。
「誕生日の日はKカフェで食事して祝おうよ」
よりによってなんでKカフェ?正直、あの店、高いばっかで食事はウマくないよ。
なんて、ことは言わず、提案をありがたく受け入れた。
近場で相方も行き慣れていて、海も見えるし、多少のロマンティックな気分は味わえるのかもしれないと思ったのだろう、なんて素直に喜んでいた。
当日、ありがたいバースディメールがちらほら届き始める。だけど、近場の友人からは一通もない。
1人、隣人のC子がしれっと電話してきて
「今日のお誕生日、何かするの?」
「ううん、相方と食事に出かけるだけ。Kカフェに」
「あ、そうなんだ。じゃ、あとでお茶しよう。スィーツ持っていくから」
ふん、そうやろ、そうやろ、そんなもんさ。
わたしは友人たちにめいっぱいいろんな誕生会を仕掛けてきたんだけど、わたしのときは、みんなシラっとしてるもんね。
なんて、ちっとスネ子だったりしていたんだけど…
これがね、すっかりハメられちまったよ。
Kカフェに着くと、海の見えるカウンター席をリザーブしていた相方。
まあ、リザーブなんてしちゃって。さらに、似合わんパスタセットなんか注文しちゃって、食後ゆっくりとコーヒー飲みながら海なんか眺めちゃったりしたんだけど…隣に座る相方が妙に無口。やはり、どこか落ち着かず海の方を見ている。
やがて、現れてきましたね。カウンターの前の公園に。
おバカで愛すべき連中が…。
1人目はなぜかおたふくのかぶりものをした女が自転車でツーッと前を通った。
なに、コイツ?
2人目、スクリームのかぶりものをして前を通った背の高いオトコ。
なに?コイツら、ハロウィンの練習?
3人目、がたいのいい女がピンクのうさぎの耳を付けて前を通ったとき、コーヒーを吹き出しそうになった。
C子だっ!
やがて、次々とうさぎの耳を付けた顔なじみのともだちが現れ、わたしの前で飛び跳ねてこっちを見て手を振っているではないか。
やられた。サプライズだ!
隣の席の相方も、わたしをカフェに連れていくだけの役目だったらしく、ここまでやるとは知らされておらず、ぼうぜんと連中を眺めている。
同じカウンター席のカップルたちも驚き、何がおきているのかわからず、「なに?なに?」を連発するばかり。
店内騒然。
そりゃそうだろ、あろうことか、目の前で花火まで始めたんだから。その上、花束持って、うさぎとかぶりものをした連中が、店内になだれこんで、
「おたんじょうび、おめでとう!!」と叫ぶ。
どうも、店のスタッフには了承済みだったらしく、言わば店ぐるみの企画?
いや、驚くやら、あきれるやら、うれしいやら、恥ずかしいやらで、このバカさ加減にただ、もう、笑うしかなかった。
しかし、ここまでやるか?!(うちのドイツ人まで巻き込んで)
だけど、だけど、ホントにありがとう。楽しいサプライズ・バースデイを。これは、きっと一生忘れないね。
3年分の誕生会だったよ。



(店にいる私らとおバカ連中)


(その後、うちでティーパーティ


(きれいな花束と…)


(すてきなプレセントまで!)



一方、2日たっての誕生会は、しっとり和やかに。
仕事をしている仲間のイベントプロデユーサーIさんと、デザイナーNさんが祝ってくれた。
不思議なことに、この3人、誕生日が9月、10月、11月で、ちょうど1月ちがいの4日という偶然。
先月はIさんのお誕生会をわたしが仕切り、今月はIさんが企画してくれた。
情報通の彼女らしく、店内も料理もおしゃれな設えで、意外にも(失礼!)かなりのおいしいさ!

フェミニンな女らしさをかもしだしてるけど、実は男っぽく潔いことこの上ないIさんと、男っぽいみたいだけど実は女の子のNさん、そいで、まったり天然のわたしと、性格は全然ちがう3人だけど、「時」と「縁」が結んだ仲間だと言っていい。
妙に波長が合って、あれやこれやのおしゃべりも途切れることがない。
時には熱いディスカッションも交し真剣に仕事に向かうプロたちが、プライベートではガールズに戻る。
仕事の外でも、こんなふうに付き合えるのは、やはり女だから。男たちはプライベートでも仕事の顔をなかなか外せない。
またまた、仕事を通してこんな気持ちのいい仲間に会えたことに、ホントうれしく、感謝している。


(見えにくいけど寿司盛りの向こうに美人Iさん)


(最後までしっかりゴチになりました)

いくつになっても誕生日はいいもんだ…って、毎年書いているような気がするけど、今年も一年、愉しい人生になるよう、がんばろ。