もう一つのプロジェクト

週末ハウス「風の家」で8月に行う予定の「プロジェクトM」について、相方がポロリともらしたことば。
「なんか予行演習やっとかないと不安だなあ…」
その場やっつけ主義のわたしと違って、やや慎重派の相方らしい正直なことばから、なんかおもしろいことが生まれ始めたようだ。
予行演習は悪くないかもしれない。いいシミュレーションにもなるし。
「ちょっと、身内だけで練習がてら6月にプチイベントやってみようか」とわたしもノッた。
先にプチイベントをやっておけば、来る人たちに、次のキルト展のDMを渡せば、もっと宣伝になるかもしれないじゃないか。
探せばネタはけっこうある。もっとも身近なところで相方の叔父さん。
県写真展の常連で、美しい花を撮るアマチュアカメラマンだ。ときどき、小さなギャラリーを借りて定期的に個展もやっているので、作品はすぐに集まるだろう。
そういや、うちの従兄弟の大学のセンセイも野山の写真を撮りためて個展とか、冊子とか出していたよなあ。
では、花の写真展にしようか、と。だけど、花だけじゃ弱い。もっと、なにかないかなあ…と思いめぐらしていたとき、ふと思い立った。
友人のふたり、隣人のC子と、ブティック店長M氏のことを。彼らは華道家だ(もちろん素人だけど)。同じ先生に付いていて、キャリアも長く、華道展に何度も出展している。
彼らに季節の花を挿してもらおう!と。
題して、「はな・花・華」
「風の家」は、ふつうの家だからこそ、ふだんぎのギャラリースペースにしたい。
テーマは「日常の生活」だ。
キルトも「日常の中のキルト」にした。だから花展も、なるべくなら生活のかたわらにある花を置きたい。
原っぱや庭や野に咲く花を日常におきたいのだ。
そんな相談をするために、昨夜ふたりをマンションの家に呼んで飯会を開いた。
メニューはC子が持ってきたアジ寿司と、相方てづくりの餃子。


(写真撮るの忘れた。コレ、残りもの…)

話を持ちかけると、さすがノリのいい連中で、ふたりは即、ノッてくれた。花器は自前のものを使えばいい、火鉢でも使える。お金かけなくても裏山にあるグリ−ンだけでも活けられる、見せる花とさりげない花を挿そう…などなど、食い物と知恵があれば、アイデアも出る出る。話はトントン拍子に進んで、もう一つのプロジェクトが動き始めた。
それだけではない。ギョーザとスシを食いながら(なんちゅう取り合わせ!)、話はどんどん展開していってしまった。
実は飯会のたびに、以前から一人一人の「できること」が集まれば、何かができるよね、何かやりたいよねと話し合っていたのだけど、まず、わたしらが「場」を作ったことから、それが現実的になり始めたようだ。
大の大人が夜中に大盛り上がりし、自立した個人集団で、とにかくなんでもいいから、いろいろなイベントをやって行こう!という実行委員会(笑)までできあがってしまった。
無理はしない。じぶんたちサイズで、じぶんたちができることで、じぶんたちがまず楽しめること。メンバーは特に決めないで自立していれば出入り自由。などという趣旨を決め、この実行委員会の(って、数人だけど)ネーミングまで付けた。名前は満場一致で決定!
「Que sera sera(ケ・セラセラ)」(なるようになる)←テキトー過ぎ(笑)
コンセプトは「とりあえず、やってみよう!」だと。
そうそう、とりあえずやってみれば、何かが始まり付いてくるものだ。できあいの「遊び」にノルのではなく、じぶんたちで作り出そうというもの。
あれ? 今書いていて、ふと気づいた。
思えばわたしのやりたかったことってずーっと、同じだ。一貫してるわ。
それは、ふつうの人々(素人)の個のチカラを伝えること。
スポットライトを浴びていない、どこにでもいるふつうの人の中にも、さまざまなチカラを持つ人がいる。それを伝えていきたいんだ、と、確か付き合い始めた相方に熱く語った覚えがある。
そのとき、相方も熱い目をして、「方法は違うけど、じぶんも同じことを考えています。ハイテクよりも目立たない、町工場の人たちのローテクを学んで伝えて喜んでもらえたらと思うんです」とかなんとか言ったような…?
あれから6年。わたしは結婚後、「CADA VIDA」という新聞を企画して作り、それでますます、ふつう人のチカラを信じるようになった。相方のパン作りや釜作りもまさにローテク?(笑)。とにかく、人に喜んでもらえていることは確かだ。
同じ方向を向いているふたりで、何かできることがあればいいねーとか話していたのは、こうゆうことだったのかな?
人生って先を歩けば歩くほど何が待っているかわからない。だからこそ、ホントおもしろいな〜。おもしろい「今」をつないでいけば、おもしろい未来(さき)に行けるんだろうなという気がする。

とにもかくにも、6月11日(金)、12(土)、13日(日)の3日間。
「とりあえず、やってみよう」だね。