冬の家

いつものように金曜日の夜中に移動する。
金曜日夜中に出さなければならないキャッチコピーが2本ある。月曜日まで上げなきゃならないプレゼン用の原稿がある。
今夜はまたまたの寒波。かなり寒い…。田舎はなお寒いだろう。車を運転する相方は眠そうで、やっとハンドルを持っているようだ。
ふと、もらした。
「ねえ、どうしてわたしたち、こんな状況の中で田舎に向かっているわけ?」
そう。だれに言われているわけでもない、無理に行かなきゃならないわけでもないのに…。
「うーーーん、義務でもないんだけどねえ」と相方もとなりでうなづく。そのあとで、「だけど、なんか行かないと週末が終わらない気がする」と付け加えた。
「マンションもゆったりできるんだけど、田舎の家のゆったり度とはちがうんだよねえ」としみじみ。
もう習慣になってるからかな〜。


そして、土曜日の今朝。
鳥の声が聞こえた。電気毛布の温もりの中で寝坊をする。立ち枯れの木々が揺れる庭の景色が窓の外に見えて、ここがマンションじゃないことに気づく。
遅く起きると、茶の間はほんのりとあたたまり、かすかに炭の香りがただよっている。
朝6時に起きた(!)相方が火鉢と遊ぶように、くつろいでいる。
確かに…。
相方の言うように、マンションとはちがうゆったりさがここにはあるなあ。
ゆったりに、ほっこりがくわわるような…。
寒い冬だからこそ、田舎家かもしれない。
家の中のやわらかいあたたかさが、いとおしくなってくるもの。


 
(茶の間に差し込む朝の光がやわらかい)(庭の水仙もかわいく咲いて部屋に)

 
(相方お気に入りの火鉢も健在)   (おもちも焼いたりして)