新客来たり


(道の駅から眺めた我が田舎まち)

週末に訪れた、その新客は、我が田舎ハウス「風の家」につくなり、「ここ、ぜんぜん街じゃないっスかあ!」と声を上げた。
そのお方は以前、取材で知り合った人なんだけど、ある日、携帯に突然電話がかかって、「じぶんが考えている田舎遊びを実践している人がいるらしいと聞いて、ぜひ見学させてほしい」と言ってきた。
聞けば、どうやらわたしと彼の間には共通の友人がいるようで、その友人Mさんから、わたしの週末ハウスの話を聞いたらしい。
彼、F氏はNGOの仕事に就いていて、子どもたちや若者にキャンプやゲーム、新人研修、新入生研修を通して、コミュニケーションや自立などを支援、指導している情熱のあるワカモノだ。
実はその彼にも、となり町の田舎にやはり空き家になった祖母の家があるらしく、そこを仕事とは関係なく、個人的に、友人たちや子どもの遊び場となればと思い、昨年から家をいじりはじめたという。ここを遊び場にしながら、いずれはNGOの仕事では、どうしてもできなかった自閉症や登校拒否の子どもたち、ニートたちの自立の場にもなればという、彼なりの「田舎プロジェクト」も考えているらしい。
「自立はカウンセラーや、研修や、講義なんじゃダメなんです。やはり、生活がともなっていないと。まさにこの家のように、生活できる遊び場が欲しいんですよ」と熱く語るF君。そのためには、まずはじぶんらが楽しむ「場」づくりなわけだけど…
その祖母の家は、どうもドがつくほどの田舎で、携帯が通じないどころか、水道も引かれていない場所らしい。つい最近亡くなられたおばあちゃんは、沢水から水を引いていたというほどで、両隣の2軒の家も、これまた今だにばあちゃんが一人暮らしをしているらしいのだけど、その2軒の民家も同じように今だに沢から水を引いているという。そりゃあ、そんな田舎に比べれば、ここは駅から近いわ、24時間のスーパーはあるわ、コンビニ、ファミレス、モスバーガーまであるわ…で、「ぜんぜん街」なわけだ。
だけど、我が家は孤立した山に囲まれた高台で裏山には古墳もあるよ、と寒風吹きすさぶ中を案内したら、なぜか大喜びだった。
おまけに庭のピザ窯に感激し、相方の定番おもてなし料理の手作りピザと塩豚にもいたく感動し写真を撮りまくり、喜んでもらえた。ぜひ、この料理をうちにも取り入れたい。窯も作りたいので、ご主人に指導もしてもらいたい!と興奮することしきり。
今、多忙な中を月に一度はやってきて、コツコツと家を片づけながら、住める家づくりをしているらしい。なんとか見られるようになったら、招待したいので遊びに来てくださいと言って、その日も夜までうちでおしゃべりしたあと、元気に四駆で田舎に戻って行った。
おもしろいね〜。
この「風の家」はいろんな人が出入りし、おもしろいことが作りだされ、広がっている。
捨てる神あれば、拾う神あるようにカラになった祖母の家を孫の代でじぶんたちの遊び場に使っている。まさに、それぞれの「田舎の使い方」だ。
どうやら、いろんなバージョンの田舎暮し遊びが近隣にポツポツできそうじゃないか。
いろいろな点ができて、線で結べば、けっこうおもしろいネットワークができるかもね。



(火鉢復活!今度はしっかり灰を入れて)



(小さいながらもほのぼの度は健在)