ライフワーク


(おとこ組集合)

今回のお客様たちは、キンチョーしたあ!!
なんせ、招待したのは相方の上司と同僚の6人様ご一行。たいてい一人や二人女性がいるので、手伝ってくれたりするけど、今回はみんな、おっさん…あ、いや、男性軍のみ。
給仕や相方の補助はすべてわたし一人でまかなわなければならない。それだけに木曜から来て家をそうじしたり、料理の買い出ししたり。
相方も今回は失敗はならぬとばかり(前回作ったパンは寒さのせいで発酵せず失敗!)、いつもよりパンづくりやピザ生地づくりも慎重かつ、ていねいだった。なんやかやと、金曜日の夜寝たのはふたりとも午前2時で、翌朝は7時起床。
当日は心配していた雨もなく、朝から晴れわたったものの、風が強いのなんの!外にストーブを出したものの、このままじゃどうなるやら、と心配したけど、ひるどきになって風もゆるやかになってくれた。
昼と同時にぞくぞく集まった男組(さすが業界人とちがって時間は厳守するわ)。お迎えした人たちは、こちらの緊張をほぐしてくれるほど、みなさん気さくな人たちばかり。
会費取ってるのに、おみやげもたくさんいだいて、みんな次々に出てくる相方の作るピザやパンや塩豚に歓声を上げることしきり。わたしもサラダ出したり、おにぎりやスープやフルーツ出したり、みごとに献身的な「奥さん」を演じて(笑)、大奮闘!
この日集ったのは、エンジニアと現場から叩き上げの職人気質の上司たちだ。かつて相方が午前2時3時に帰っていたときのプロジェクトの仲間で、相方がお世話になり、一度呼びたかった人というだけあって、みんなすごく感じよく、気持ちいい。
いい年したおっさんと言えばそうなのだけど、なんだか、みなさん世間ずれしていないのだ。
会社は残業代も出ないし、給料もカットされ、人員削減も行われているキビシイ状況なのだけど、飲んでも会社のグチ言うわけでも、不平不満をいうわけでも、世論をぶつわけでもない。話題は、じぶんたちが育った田舎のことや、どこそこの酒やパンがうまいだの、このへんの地理のことだの、料理の作り方のはなしだの、なんだか聞いていてもほほえましく、どこかそぼくで、ゆるくて、純で、あかるい。
そして、笑っちゃうのがみなマイペース。おなかもいっぱいになって、場が慣れてくると、ふらりと散歩行く人がいたり、一人でたばこくゆらしていたり、畑見に行ったり、写真撮ってる人がいたり…相方もそうだけど、モノづくりの人たちって、みんなこうなのかなあ〜? 
企業は人で作られるというけど、全員じゃないにしても、こうゆう人たちがいる会社にいて、家に呼びたい上司や同僚がいるってことは、相方はもしかして、すごく恵まれた幸せな環境にいるんじゃないかと思った。
これは、ほんとうに感謝すべきことだ。
帰りには、みなさんが大喜びで、「次は春の花見だあ」と言って帰られたあと、わたしたちもすごーく幸せだった。
それにしても、毎回ゲストを呼ぶときは、一大イベントであり、プロジェクトだ。計画を立てるのも、買い物するのも、準備するのも大変だけど、日ごろ、のらくらのふたりが、このときばかりはイキイキわくわくしながら“成功”をめざして向かっているから、よほど好きなんだろうな。
ありがたいことに毎回、「じぶんが喜ぶことで喜ばれたい」という、わたしの望みとおりのことを実行し、させてもらっている。
きっと、この手作りのおもてなしは、ふたりの共通の趣味であり、ライフワークになるんだろうなと、しみじみ実感した一日だった。
そして、そろそろ来年の春以降は、見知らぬ人や、子どもたちが来るのでは?…という予感がじわり。
やっぱ、工房計画はやらないかんぜよ!