生き残る会社

最近、ある仕事で連日のように中小企業を取材している。
さまざまな業種の社長さんに会い、お話を聞いているのだけど、その努力にはほんとうに頭が下がる。
よく研究し、よく考えて、日々がんばっている。
一つ一つ、そうやって取材を続けているうちに、気付いたことがある。
この不景気と競争率の激しい中で、小さくても立派に生き残っている会社と、大手だけど四苦八苦している会社がある。
どちらもがんばりは同じなのだけど、その違いをしっかり感じる。
違いは何かというと、「オリジナリィ」の違いだ。それはたぶん、社長の個性だと思う。
オリジナリティーのある企業の社長は、まず、イバッていない。しっかり目を開けて、しっかり社会と人間を見ている。その人たちの基本キーワードは、「どうやったらお客様に喜んでもらえるか」だ。
この社長さんたちの話すことばは、経営理念や難しい専門用語ではない。じぶんが考えてきたこと、今考えていることをじぶんの言葉でわかりやすく話してくれる。そして、何よりも見えないものを大切にしている。
「誠実」「こころ」「ていねい」「よろこび」「感謝」などが、会話の中に出てくるのだ。そういう会社には、必ずオリジナリティがある。
一方、県の中でも大手と言われる某会社に行ったときのことだ。
次から次へと出てくるのは、「マーケティング」「オンデマンド」「システム構築」「ソリューション」など、まるでどこかの企画書かマニュアルのごとく、カタカナを交えた戦略方針をとつとつと語ってくる。
「わが社はスゴイんだぞ〜」と言う話を真剣に語っているのだろうけど、少しも心に響かないのはどうしてだろう?

同じことが人にも言える気がする。
じぶんの生き方をきちんと見つめ、人をしっかり見て、じぶん以外の人ことを思いやり、喜んでもらおうとする人は、会っていてもとても気持ちがいい。多くを語らなくても、じぶんの言葉を持っているから言葉以上に伝わるものが多い。
けど、えらそーなこと言い、何よりも視点が自分中心な人は、自分の人生を生きていない。何より大きく見せようとすればするほど、小モノに見えてくる。

なら、じぶんはどうなんだ?と問うたとき…「じぶんが楽しむことで人に喜んでもらうこと」をめざしてきた自分だけど、どうなんだろう?
後者でないことを望むのみ。

でも、「企業は人なり」っていうけど、ほんとうなんだなあとしみじみ。。
人にも企業にも学ぶことがとっても多く、ホント、ありがたいことです。