雑居生活

マンションでドイツ人男性(T)と日本人女性(Y子)のカップルに部屋を貸し、雑居住まいしていると人に話すと、必ずと言っていいほど、えーーっ?と驚かれる。
時には、大笑いされることもある。
外国では一般家庭でもシェアしたり、部屋を提供したりすることは多々あるようだけど、マンションで家賃をもらって他人を住まわすというのは日本では、珍しいらしい。
うちのマンションはごく普通の、いやどちらかと言えば普通より狭い方の3LDKマンションだ(そう言うともっと驚かれるけど)。間取りは、大洋間1つと小洋間1つ、一番広く明るいリビングダイニングと、横に鼻くそみたいな畳の間が付いている。
大洋間にカップルの寝室、畳の間が私らの寝室。リビングダイニングはパブリックルームで、後の小部屋はマルチルームとして使用し、Tの仕事部屋になったり、相方のアニメ観賞ルーム(TV、DVDあり)になったり、時には1人になりたいときの誰かのこもり部屋にもなっている。
4月8日から始まったこの雑居生活も、早いものでもう3ケ月に入ろうとしている。
もう3ケ月?という思いの反面、まだ3ケ月?という思いがある。なんだか、もう大昔からこうやって生活しているような気がしないでもない。
心配していたいざこざもなく、最初に私だけが感じた緊張やストレスもいつの間にか消えている。慣れと、生活の時間差と、私らの週末暮らしというのもあるだろうけど、一番は組み合わせの相性が良かったのだろうと思う。
どちらかと言えば、みんな人がいい。うるさくもないし、「我が先」の人間がいない。ゆるゆるだけど、その替わり、遊んで楽しむことになると一致団結して盛り上がる。
よく、食事とかお金とかどうしてるの?と聞かれるけど、何のルールも決めずに、そのへんもいつの間にか自然なリズムのようなものができている。
Y子は週のうち3日は夜仕事なので、夕方バタバタと1人で食事をして出かける。残ったTはおなかが空いていれば私と相方の食事に加わるし、空いていなければ食べない。たまに4人揃ったときは大家族のようにテーブルを囲んでいる。
食材も足りないものがあれば誰かが買ってくる。私の納豆食ったな!とか、僕のジュースを飲んだな!とか言い出すこともなく、どうぞ、好きに飲んで食べてと誰かが補充したものが冷蔵庫に入っている。家事も私が洗濯すれば、Tが取り込みたたんでくれるし、料理も私がしたり、Y子やTが作ってくれたり。相方はもっぱら我が家の貴重な食材のパン作りに徹しているが、時にはジャンケンで負けて(笑)皿洗いもしたりと、手の空いた人ができることをするようにしている。それも決めたわけでもないのだけど、なんだか自然とそうなってしまった。
ただ、何かをしてもらったら、必ず「ありがとう」と一言お礼を言っているので、そうゆうのもいいのかもしれない。
慣れてしまえば、合宿所みたいで、雑居生活もおもしろいし、何より助け合えるのもいい。
こうゆう同居って、私が知っている限り、昔の日本にはもっとあったと思うんだけど…。もっと普及すれば、これもまた住まいや暮らしの「エコ」だと思うんだけどなあ〜。

一つ誤算だったのは、この機会に英語かドイツ語でも少し覚えようかと思ってたけど、Tの方がみるみる間に日本語が上達してしまい、会話がまったく不自由なくなってしまったことだ(泣)


  
(くつろぎスタイルでDVD観賞)  (週末ハウスではトスカーナ風ブランチ)