3度目の上京

23日の未明に母が急変。
真夜中に兄一家が病院からの電話で呼び出されたそう。
もう母の体の中は癌が蔓延。
生きてるのも不思議な状態なのに血圧を上げる薬の投与で持ち直し、家族ににっこり笑った後に昏睡状態に入ったという。
私は一ヶ月前、もうお別れをしたはずなのに…
もう行っても分からないだろうに…
けど、相方の「行かないと後で後悔するよ」の言葉に背中を押され、母の最後を見守りたくてやっぱり来てしまった。
対面した母は酷く痩せていた。
緊急室でひたすら寝ている母の顔は生きている人のそれではない。
もう、魂はあちらに行っているんだろう。
後は、機械と薬でかろうじて粗い息を続けてる。
看護師さんが病室で母の手を握って寄り添っている私を見つけると、大声で母の耳元で言った。
よかったねえ、会いたがっていた娘さんが遠くから来てくれたよぉー
母は会いたがっていたんですか?
ええ、いつも娘さんのことを心配していましたよ。
そう言われて私は初めて泣いた。
だけど…
夕方来た兄は母はずっとお前の悪口を言っていたとも言う。
そう言われて今度は辛くなった。
昔から長く確執があった。
私が中年、母が晩年になってやっと距離が縮まったと思っていた。小さな口ケンカはしていたけど私なりに母を愛していた。
良くも悪くも、母にとって娘は近い存在だったらしい。
母の生命力が続くまで見守ることになりそうだ。