1年目のCasa de Vient(カサ・デ・ビエント)

 
(よしずを付けたらアジアン風に?) (父の好きな山に満月がぽっかり)


 
(おふとん干したり…)        (草取りしたり…)



 
(親戚が来たり…)          (友人が来たり…)



 
(田舎パンの中にミートグラタン)  (料理はますますバラエティ豊か)



 
(相方手作りのアイスクリームに私手作りのいちごジャムで、贅沢なブランチ)



ついに終わった。長い長い初夏休みが。
5月1日〜10日まで、中1日歯医者のために一日帰っただけで、ほぼずーっと週末ハウスに滞在していた。
鳥のさえずりや初夏の風、朝陽に木漏れ日、ぽっかり満月。しとしと雨に五月晴れ、そして、何より、まっさらな緑のまぶしさ…
どれもこれも、朝から晩まで思う存分、かみしめるように味わうことができた。
…と、書くと、ゆっくりまったり過ごしたようだけど、なんのなんの!相変わらず、お客様ざんまい。
招待客、突然客…、友人、親戚、身内、遠方からご近所から、10日間の間にがたくさん訪れてくれたゲスト、総勢22人。
どのシーンにも、相方と私の料理やお酒が並び、みんなの笑い顔があった。
考えてみれば、ちょうど一年前。
この家をCasa de Vient(カサ・デ・ビエント)=「風の家」と名付けた。
ただ風を入れに帰るだけではなく、父の愛した家を、風のように人が出入りできて、みんなが集える、大人の遊び場にしたいと。
そういう理想を掲げながらも、週末ごと仕事の合間に、気の遠くなるような家の片付け、作業に終われ、マジにこの家を維持できるんかいな?と、力が萎えそうになったのを覚えている。
それが、どうだろう。
週末を重ねるうちに、古家は見事に風通しのいい家になり、居心地のいい住まいになった。なぜか、相方が唐突に庭にピザ窯を作りだしたのも驚きだった。そこから始まった相方のピザ、パン作り。まるで科学のように取り付かれたように夢中になり、今ではほとんど本職はだしだ。
私は大好きな“場”を作ることに夢中で、相方はモノ作りに夢中になった。
場と食ができあがれば、自然に人を招きたくなる。どれだけの人が訪れて、どれだけの人が喜んでくれただろう。
自分たちが喜ぶことで、人にも喜んでもらいたい。互いに話し合ったわけでもないのに、いつの間にか、お互いが同じ方向を向いていたのは幸運だったと思う。
Casa de Vient(カサ・デ・ビエント)は、両親が残してくれた遺産(家と土地)から生まれた、ふたりの愛おしい作品だと言っていい。
もっと円熟させ、ここからもっと、いろんなものが生まれたらいいと思う。
だけど、この家も土地もまた“風”なのだ。
忘れてはならないのは、決して自分たちの所有物として、執着してはならないこと。
おじゃまさせてもらうという気持ちで住めば、ここは、気持ちのいい“気”を出してくれるし、末永くいい関係でいられると私は信じている。
今はただ、癒しの“気”で私たちを喜ばせてくれているように、古墳のある裏山にも、古い家にも、高台の土地にも敬意を表し、感謝をし、愛情を注いでいけばいいだけだと思う。



(コトコト煮込んでジャム作り)   (最終日は海辺の俊子さんちへ)