嗚呼、人生…

28日。なんと、まだ水曜日らしい。
先週末、珍しく田舎に帰らなかった。金曜日から、昨日の火曜日まで。なんと、なんと「人生って…」ということばかり。

23日(金)
週末は雪らしい。「今夜は止めて土曜日の朝早く行こうか」と決めたのは、今思えば予感があったからか…?義父より電話が入り、話があるので翌日、相方だけで来てほしいとのこと。その夜は、近くのおいしい讃岐うどん屋で夕食をした後、DVDをレンタルして見ようということに。
そういう楽しいことはすぐに決まるのだけど、いかんせん借りたいDVDの好みがまるで違い過ぎる(泣)。私の好みはサスペンスかラブコメ、ヒューマンもの。相方はアニメかSF。唯一私が好きなSFの「Xファイル」だけは相方は好きじゃないというし。その日は旧作5本が千円。結局、相方がSF「クローバーフィールド」1本と相方世代の義務教育らしい(笑)「ガンダムシリーズ」。私はR・ガルシアの「美しい人」と「Lの世界」シリーズ2本。かろうじて、これならふたりで見れるかもと借りた「クローバーフィールド」は、意外と拾いもので面白かった。ハカイシャらしいカイブツの説明は最後までなかったけど…まあ、そんなこんなでのどかに夜は更けたのだけど、これは嵐の前の静けさだったのか?!

24日(土)
朝早く、まだ寝ているうちに相方弟からの電話で起される。
開口一番「聞いた?」と。「何?聞いていない」と私。あ、そう言えば昨夜相方が相方父から呼ばれていたけど、そのことか?
聞けば、まさに事件です!!
このTVドラマ並みの出来事に相方家族が総動員! これにはちょっと感動したな。問題に立ち向かうのは頼もしいS家3兄弟(相方、妹のダンナ、弟)たち。ドキドキ、ハラハラ、ワクワクのヨメは、傍観しながらも、なるべく「沈黙は金」を守ることにした。にしても、この一家、バラバラなようだけど、イザという時は結束するんだよなあ〜。
実はこの日、私の中でもう一つの電話を待っていた。母の検査結果を東京の兄から報告が来ることになっていたからだ。午前中にかかった電話の内容はやはり、ショックだった。母のガン検査の結果がハッキリ出たのだ。父が亡くなってから母はずっとふさぎこみ、「死にたい」だの、「父さんはどうして私も連れて行ってくれなかったの?」だの、「これ以上生きていても迷惑がかかるばかり」だの、後ろ向きの言葉ばかり吐いていた。だからなのか、体調もみるみるうちに悪くなるばかり。下半身の痛みも出て眠れず、食わずで、ひどく辛くそうだった。やはり、再発。かなりのところまで来ているらしかった。
これからどうするのか?手術か?在宅治療か?ホスピスか?まだ、いろんな検査をしながら結果を見て、母や医者とも相談しながら、決めて行こうと兄と話した。
心配のあまり考え込んでしまうところを幸か不幸か、今の目の前にある相方んちの問題の方が大きすぎて、ついつい母のことは遠くの問題になってしまった。
お風呂に入って寝たのは午前3時半。さすがに疲れたよ〜

25日(日)
昨夜の問題はまだまだ片付いていなかったが、その日の午後、甥からの携帯が入った。
従姉妹の息子が事故で亡くなったのだという。ついこの間、成人式を迎えたばかりで、私もよく遊んでやったし、ついこの間まで田舎の家に遊びに来ていた。とても素直ないい子だっただけに驚きと悲しみしかない。特に母である従姉妹の気持ちを思うとたまらない。
この日、私は胸に3つの痛みを抱えた。
家庭内の出来事、母の病気結果、そしてS君の死。
感じたのは「ああ、人生だ」。
驚きも辛さも哀しみも、すべてが人生のイベントだ。生きているからこそ、巡り合う出来事であり、胸の痛さだ。これらは生かされているからこそ、出会う人生の贈り物なのだろう。
すべての問題は、外にあるのではなく、私の中で起こっていることだ。大切なのは、この出来事から感じることであり、学ぶこと。そして、気付くことだとしみじみ思った。

26日(月)
朝の列車で北九州の葬儀へ行く。
辛く哀しい葬儀だった。20歳の若者がたくさん葬儀に参列し、みんなが号泣していた。
S君がどれだけ、みんなに愛されていたのかを感じる。
「命の大切さを、死んだら家族や兄弟、親戚がどれだけ哀しむかを若い世代に、S君は身をもって教えてくれました」とは住職の言葉。
この若い死を尊ぶ言葉に身内は救われた。

27日(火)
朝イチから夜まで一日取材。忙しいけど、この不景気に仕事があるだけでもありがたいと思う。それにまさに、このせちがらい世の中なのに利益よりもいい物を作ろうとしている企業や個人商店に出会った。
みんなシノギを削って、夢を追って頑張ってるんだなあ〜と実感。

人生、まだまだ続くかも…明日、閉じるかも…。
とにかく、今、生かされていることに感謝しかない。