掃いても掃いても…

おかしい…。
絶対におかしい。こんなはずがない…。
たった今、夏休みが終わったばかりじゃないか。昨年なんか10月の半ばくらいまで半袖着てたぞ。
秋は一年の中で一番大好きだけど、それにしても、もう少し疑っていいはずだ。
こんなに早く秋が訪れるわけがない!!
それなのに、何なんだ、この枯葉の山はぁーーーー!!
  
掃いても掃いても、掃くそばからすっかり秋化粧した枯葉が落ちて来る。かと思えば、刈っても刈っても草は勢いよく伸びてくる…と、嘆いているのは、朝早くから庭掃きをしていた相方の弁ではあるけど…。
に、しても田舎の家はすっかり秋めいて、夜窓を全開にして、ひんやりした風を楽しんでいたのに窓を開けられもしない…。
もし、マジにこのまま秋到来となれば、早々に冬支度を考えねばならない。
キッチンとの堺に窓を設けて、畳の下に断熱シートをしいて分厚いじゅうたんをアウトレットで買って来て…と相方との会話は冬支度の話題がひんぱんになって来た。
それよりも。急を要するのは、もしかして両親が一時帰宅をすることになるかもしれないからだ。
9月の半ば、相方の遅い夏休みが取れたことと、相方に国内航空券が当たったことで、私が特割航空券を買い、二人で少し長めの休みを取って上京することにしている。その帰りに、両親も一緒に帰りたいというのだ。ただし、そのときに体調が良ければの話だけど…。
きれいになった家を見たい、バタバタと出て来たので墓参りをしたい、まだ動けるうちに、もう一度帰っておきたい。
そう、両親のタイムリミットは迫っている。ほどほどに気候がいい今、わたし達と一緒に帰れるということが、彼らの気持ちをあおったようだ。
もちろん叶えてあげたいので、私らには異存はない。
だけど、この家はすっかり、自分たち使用に変えてある。ときどき写真を送り、このブログは見せてはいたものの、思い出の風景と変わっていることに軽いショックを受けなければいいが…ちょっと心配。
「どんなに変わっているのか見るのが楽しみ」と母は言うが、庭のくたびれた花は全部引っこ抜いてるし、転倒対策で外していたカーペットやラグも敷きまくっているし、トイレに近かった両親の寝室は納戸に変わっているし…かろうじて、父の大好きな山並みの景色はバッチリ見えるようになって、山の古墳回りも歩いていけるようにしているものの、猛暑でもベストを着ていたというほど体温が下がっている父の体に、この涼しさは大丈夫か?
などなど、もろもろの心配ごとが湧いてくる。
だけど、もしも、ここで父が倒れ、母がコケたとしても、それはそれ。むしろ本望かもしれないな、とも心のどこかで思う。
本人たちも言っていたが、「まさか、もう一度帰って来れるとは思いもしなかった」とそれだけで満足そうだから。どこにいても起こることは起こるのだから、やりたいことをさせてあげて私らは滞在中に精一杯のフォローをして、何か起きることの心構えをしていればいいのだから。
何しろ今年の春の急転直下の変化と、嵐のような出発時のことを考えれば、心残りも無理はないだろう。変化した家を見れば、改めて覚悟が決まるかもしれない。
私らはできる限りの「場」を整えよう。
来週は仕事で行けないので、残るは上京前の9月の連休のみ。精一杯心地よい家にして、「おかえりなさい」と迎えてあげたい。

          (やっと少し晴れた日曜日の光景)
  
(父の電動自転車で散髪に出かける)  (晩御飯は豚肉のしょうが焼き)