2泊3日

当初は足りないと思っていた2泊3日の東京滞在だったが、何の何の…凝縮されただけ、中身の濃い滞在になった。
出来る限り時間を有効に使おうと、朝5時起きの6時発のバスで空港に向かい、朝一の飛行機に乗って午前中には当日の目的だった秋葉原に着いて姪と落ち合えた。
いくら有効に使うとは言え、初日から少々飛ばしすぎたかもしれない。
アキバの街を探索しようと、電気街の専門店から始まって(ここは相方の専門分野)、姪とおもしろ半分キョーミ半分で相方引っ張って入ったメイドカフェやら、武器の店やら、コスチューム館やら、着せ替えフィギュアの着せ替えの店やら…終いには、おい、ヤバイやろ!って店まで、ちょっとディープに入り過ぎて、かなり食傷気味になってしまった。
それにしても…
ここは日本なのか?
  
まるで違う惑星に入って来たような感覚すらする。
闇や影にひっそりと隠れていた世界が、お日様の元に現れ、居場所のなかったワカモノたちが堂々と受け入れられて大通りを闊歩している。ひやかし半分に来た観光客の方が身の置き場がないほどの異質なエネルギーが流れている。オタクな巨大なマーケットは、今や日本で一番元気な文化や産業として独り歩きしているかのよう。世界に向けて発信したのではなく、世界がこの独特な文化に魅かれて近づいて来たかのように、ガイジン観光客が詰めかけ、異国文化も同居し始めている。
少し前まで手がけていた地球再生の「本」の世界とはあまりにもかけ離れていて、どう考えていいのか収集が付かなくなったほどだ。
まあ、多様化しているというのは、いいことでもあるんだろうけど…この街に流れているエネルギーや空気は何だろうな。
夢でもなく、未来でも、希望でもない気がする。おそらく「停滞」だ。
この根底に流れているのは「今がよければいいじゃん、迷惑をかけずに楽しんでいるんだから」という刹那の停滞したエネルギーが膨らんでいるんだという気がしてならない。だからきっと息苦しいんだ。
まあ、そんなこんなで夕方両親の住む団地に辿り着いたのだけど、こっちは停滞してるどころか進化している。
いやはや、オヤジさまの元気なこと!オフクロさまの若返ったこと!
 
安息の地が両親に安心を与えたのか、昔なじみのヒューマンなドクターの言葉に励まされているからか、何にしても穏やかなふたりを見てホッとした。免疫力と、自然治癒力というのはスゴイなあ!とつくづく思う。
これで抗がん剤治療をしていたら、今の元気な父はいないかもしれない。
病は気からというのは本当だ。翌日は天気予報は雨なはずなのに朝からピーカン。バスで街に出かけ、食事をし、買い物をし、久しぶりに両親と一緒に遊び、過ごした。そう言えば、私達は両親を介護していたのではなく、両親と一緒に遊んでいたんでいて、それが私達の楽しみでもあったんだなあ…と改めて気付かされた。
次は夏休みを取って来よう。たまに来る東京はおもしろいからねー。