なんだかな〜

90歳の女性日本画家は80歳でペルーに行き、翌年ヒマラヤに登ったそうだ。本物のブルーポピーをヒマラヤの山中で見つけ、懇親の作に仕上げたという。彼女はこれまでの人生で迷いがあったとき、何かを決めなければならないとき、利益や損得ではなく、「好きか」「嫌いか」で選択してきたそうだ。すべてを好きか嫌いかに任せるというのは、一見、簡単そうだけど、とても難しい。それはブレない自分を持っているということであり、そんな自分を信じるということだからだ。
だけど、反面、とてもシンプルでスッキリしている。誰のせいにもしなくてもいいのだから。
自分はどうだろう?
どちらかというと、好き嫌いがハッキリしている性格ではないため、そのどちらに傾くのは難しい。せいぜい、「何かこっちの道の方が自分には気持ちいいような気がする」くらいだ。
まだまだブレブレ…だけど、なんとなくコツはつかめて来た気もする。頭の考えを最小限にして体(心)に聴いたら、なんとなく答えは出てくる。そこを信頼してやればいいんだろうな、ということ。
以前は、無理やりそこに理由付けをしていた。自分に対しても他者に対しても問い詰めて来た。
「ハッキリ言ってよ!その理由は何なの?そう思う理由がきっとあるはずだよ、話さなくてはわからないでしょ」とかなんとか…けど、相方と暮らし始めてそんな詰問からは、何も見出せないことを学んだ。
相方はよく言う。
「なんだかな〜、よくわからないんだけど、うまくいえないんだけど…」
「うまく言えない」感覚っていうのは実は自分にも確かにあるんだけど、それでいいんだろうな、と思いだした。それに、どうも、こういうファジーな感覚の方が信頼できるような気がする。
言葉にできなくても、他者に理解してもらわなくても、「なんだかな〜」っていう感覚に任せてた方が、実は気持ちいい方向に行くってことなんだと最近しみじみわかってきたから。後は、そんな自分をもっと信頼してブレない自分を作ることだけど…そうすれば美しい90歳に近づけるかな〜(笑)