どこに住もうか

昨日のノルマンディの話じゃないけど、この年になると(どの年だ?!)最終的にどこに住むかというのが、私の周囲でチラホラと話題になって来ている。
そう言えば、そのノルマンディの小さな村(ペリエールって名前)には、週末をバカンス気分で住むパリジャンだけでなく、本気で村に根ざそうとしている住人たちもいるそうだ。
例えば、農家を買い取り、村でパン屋を始めた夫婦たち。自分の畑を持ちそこでできた無農薬の小麦粉を、昔から村に伝わる石釜でパンを焼いているのだという。それを聞きつけて、遠くの町からもパンを買いにやって来る人が増えたらしい。
似たような話は、私の実家がある田舎の近くでもある。私も山道を進みながら、そこのパン屋までわざわざ買いに行ったことがある。そのとき、何を好き好んで、こんなド辺鄙なところに住んでいるんだろう?と思ったのを覚えているけど、彼らに取ってはここが快適で理想の土地だったわけだ。こんなふうに、自分が生まれた町にこだわらず、どこでも自分が好きな町に住む人が最近日本にも増えて来たのはいい傾向だと思う。
つまり、ふるさとや親や子どもに執着せず、それぞれが、「好き」をプライオリティに置けば、いい町が出来上がるんじゃないかな?
経済や刺激を優先する人は都会に住べばいいし、スローライフが好きな人は田舎だったり、放浪が好きな人は定着地を決めなければいいし…ね。
なら、自分はどうなのか?
都会のネオンも好きだし、のんびりまったりのスローな田舎もいい。森の穏やかさも好きだし、海の広さもいいし、空に手のとどく高い所もいい。
ほどよく都会で、ほどよく田舎で、森や海の自然もほどよく近場にあり、快適であれば尚、いい。
そう考えると…なんだ、今住んでいる場所じゃないか。
好きか嫌いかあんま考えたことなかったけど、意外と好きなところに住んでいるんだなあ〜と自分でも感心した。人は結局、好きな場所に流れつくのか?街はともかく、確かに今住むマンションの1室は、カンで選んだだけあって、だんだん愛着が湧いていて愛おしくなっている。
相方はなぜか、私の実家がある田舎も家もお気に入り。
さて、終の棲家はどこになるのやら…? ま、多少の変化はあれど、ふたりとも“心地いい”に関しては、敏感だから、きっとその「場」に落ち着くのでしょう。