クリスマスに向けて…

一年のイベントの中でいちばん好きかもしれない。
クリスマス!
きらきらのイルミネーション、ラジオや街に流れるクリスマスソング、プレゼントを選ぶ人々…
いくつになってもクリスマスが大好きな大人でいたいと思う。
今年の仕事がやーーーーーーっと終わった
昨夜は、相方の両親を誘って、ホテルのレストランでディナーをした。
少女のように喜ぶ義母と、久々のお酒を飲んでゴキゲンにはしゃぐ義父を見て、いろんなことが無事に過ぎたことを感謝し、ホッと息を付いた。
今日は、イブ。
久々にゆったりとココアを飲み、ラジオから流れてくるサラ・マクラクランのハッピィクリスマスを聴きながら穏やかな朝を過ごしている日曜日。
相方だけは土曜日の昨日も、今日も仕事に出掛けた。
たぶん、会社では独りだろう。誰もいないところで誰から褒められるわけでもなく、もくもくと仕事に向かう相方に、ささやかなプレゼントを買った。
クリスマスは、人に贈り物をしたくなってくる。
同じことを先日取材に同行したデザイナーのA氏が言っていた。
彼は妻にラルフローレンのコートを買ったという。すごい!と驚く私に、「最近、あいつは辛いことが多かったから…」とぽつんと言った。
奥さんの父の事業が失敗し、母は認知症になり、もう娘の顔もわからなくなったのだという。そんな辛い一年を過ごした妻に、コートを張り込んだと話すA氏は、「オレ、プレゼントはもらうよりあげる方が好きだし…」と照れながら笑った。
クリスマスに向けて、もう一ついい話を追加。
同じ日に取材に行ったH市で会ったW氏はアメリカアイダホ生まれの生粋のアメリカ人。国際交流員としてH市に来て、日本人の女性と結婚し、すでに18年になる。と、聞けばふつうの話だが、その結婚した相手はなんと、3人の子持ちの女性だという。W氏は、自慢気に「うちの息子は…」と何度も話す。
その自慢の息子が12歳の時に書いたというボロボロになった作文をいつも持ち歩いている。読ませてもらった。
「ぼくのお父さんはアメリカ人。お父さんによって、ぼくはたくさんのことを教わった。いろんな人がいていいし、いろんな考えがあっていいのだということを。お父さんの国に行って、ぼくにはアメリカ人のおばあさんや、おじいさん、従兄弟たちができたのがとてもうれしかった。お父さんは日本人の心も知っているアメリカ人だ。こんなお父さんがいてぼくはよかったと思う」
息子はすでにもう17歳。建築家になるのが夢だという。
「こんな作文を書く子の建築は、住む人にやさしい建物でしょうね」と私が言うと、パパは、うれしそうに笑った。
クリスマスは、こんないい話がいくつも落ちていそうだ。