バレエの効能

先週はどうしても時間が取れずにバレエを休んでしまった。
1日休むと自分にわかる。2日休むと家族にわかる。3日休むと観客にわかる。
そう言ったのは、かの名プリマ森下洋子だけど、こんなぺーぺーでも週2か、週1通っていたものをまるまる1週間休むと体が固まっていくのを感じるのだ(そんな気がするだけかもしれんけど…)
今週もとても行ける状況じゃないかも…と思いながら、無理やり時間を作って行った。
どんなに休んでもいつ行っても、基本をじっくりこなすレッスンだから、「休んだから追いつけない」などというのがないのが、このクラスのいいところだ。
ゆっくり背伸びをし、ゆっくり足を張り、指の先まで神経を行き届かせる。そうすると、少しずつ少しずつ細胞が目覚めるかのように、体が動いてくるのを感じる。
このバレエから学んだ確かなことが、一つある。
それは、意識すること。
最初はただ見よう見真似で先生の言うなりに体を動かしていただけだった。だけど、だんだん慣れて来たら、ただ体を動かすのではなく、一つ一つの動作を意識するようにした。
体を曲げるとき、足をつま先立てるとき、手を上に伸ばすとき、意識をし、ここまでというところから、ちょっと頑張ってみる。
それが、例え0コンマ1ミリでも、前回より成果を上げている。この0コンマ単位の‘ちょっと’というのが、大切なのだ。
大きな一歩は難しいけど、ほんの少しだと頑張れる。
てっぺんを見上げると気が遠くなるけど、わずか上を見上げると届きそうな気がする。
無理だと線を引いてしまえばそこまでで止まる。だけど、少し意識して0コンマ先を頑張れば、いつの間にか大きな進化を遂げているかもしれない。
日常の雑事でも、仕事でも同じだ。
限界はいつでも引けるのだから、今できるのなら、ほんの少し先を行ってみよう。
負担にならない蟻の一歩。
こうやって少しずつ、上に上って行こうと思う。