遅ればせながらの目覚め

私を知っている者なら、きっと誰も信じないだろう。
いや、信じても大笑いするに違いない(事実、何人かに思いっきり笑われた)。
どんなに笑われても、今、私がハマっていることには間違いない。
クラシックバレエ」に。
私は見ていないのだけど、TVドラマで主婦がバレエを始めるというドラマがあって、今、ブームなのだという。確かにバレエストレッチやビヨンドバレエなど、ダイエットや健康法などのバレエが巷で流行っている。
だけど、私が習っているバレエは、そんな軽いものではない。かと言って、華やかに踊るバレエでもない。一つ一つ体の細部をゆっくり、少しずつ動かして行く地味な基本レッスンを何度も何度も行う。
「すべては正しい基本から」がこのバレエスクールの原点。先生は若い男女だが、ふたりとも、本当に丁寧に教えてくれる。しっかりバレエの基本に基づいているから、姿勢もよくなるし、筋肉もついて来るのだ。
このスクールは取材でたまたま知って見学したとき、これならできるかもしれないと思った。そう思ったら、なぜか魅かれるように電話して、無料体験をした。
めんどくさがりの私にしては珍しく行動に出たと思う。それくらい、なぜか体を動かしたかった。
体験では、見よう見まねだったけど、こんなに汗が出たのは何十年ぶりだろう?と思えるほど、すさまじいほどの汗が出た。ゆっくりとした動作なのに、翌日は筋肉痛で階段も上がれなかった。
2回、3回と通ううちに、筋肉通も少なくなり、姿勢もシャンとして来た。かなり高いけど、バレエのレオタードやバレエシューズ、白タイツまで揃えた(白タイツは基本なのだそうだ)。今のところ週に1、2回がせいいっぱいだけど、なんとか時間を割いて通い、もっとカッコよくレオタードを着こなしたい。
汗をかいた後の顔は老廃物が出るのか、ピッカピカになる。それに、バレエは身のこなしの美しさをも教えてくれそうだ。年を取った人こそ、このバレエはいいんじゃないかと思う。
「ロンドンではね、90歳の白髪のおばあちゃんがレオタード着てシャンと背筋を伸ばしているんです」と、先生。
願わくば、こんな美しいばあちゃんを目指したい。