避寒のススメ

 両親が住む実家は極寒の地だ。例年寒さは変わらないんだろうけど、両親が年を追うごとに高齢になって来ているので、体と心によけいに堪えるのだろう。
それで、その対策として、冬季の間、街に住むことを勧めた。本来なら家を売ってマンションでも買ってと言いたいところだが、そこまでの変化にはきっと着いていけないだろうから、とりあえず、半分はこちらに住んでみたら?とまずは母に進言。
「家具も家電も買わなくてもいいレンタルがあるよ。街にいれば、デパートに行ったり、食事に行ったり楽しく遊べるし…」と、いう話にすぐに「楽しそう」と反応した。だけど問題は父だ。まず、金がない。変化が怖い。それだけで、もう動かないのが予測できる。
だけど、私はもっと両親を楽しませたい。特に母を。
女性同志の買い物や映画や食事やお茶やおしゃべりが、どんなに楽しいのかをオトコは知らない。そこにあるのは、わくわくした、華やいだ気分。それだけで元気になれるし、幸せな気分になれる。私自身、結婚してそんな時間がぐんと減った。遊んでくれる友達も遠のいたし…少し、淋しいかも。もちろんオットと過ごす時間は楽しい。だけど、私が彼のオトコ友達に代われないように、女友達と過ごすオンナノコ時間はオットとでは得られそうにない。
母には、そんな時間が必要なのだと思う。極寒の地で、外にも行けずストレスを貯めながらふるえているよりも、少々お金を使って楽しく快適に過ごした方がどんなに幸せで、彼女の体にもいいかわからない。
そんな気がするんだけど、これって実現するのかなあ…してもらいたいなあ…