地方巡業

県の仕事で、 連日、地方の取材に出かけている。
昨日は北へ、今日は南へ。生産者を訪ねる取材だから、まさに地方巡業・・。メンバーは県の広報課の担当(女)、カメラマン(男)、デザイナー(男)と、ライターのわたしで4人。この4人、基本はマジメだけど表に出ている分がかなりのラテン系。安いギャラの仕事でも、何とか楽しむために面白いことを見つけようとする。しかも、狙いどころ、笑いどころのツボが似ているから、妙に「気」が合う。
で、今回の地方取材の楽しみは、美味しい食い物と土産にありつけるというもの。それをニンジンにして、たった1時間の取材のために往復4時間かかる移動さえもなんとか楽しいものにしようと、くだらない話で盛り上がる。
今回は芸能界でダレがホモかという話から、TVショッピングで何を買ったかという話に行き、ラーメンの汁を最後まですするかどうか…という、何の脈略もない話題でテンションを上げてしまった。
ちなみに、昨日は県北のB市にソバ農家を訪ねた。予定の中には生産者がソバを打っているところを撮影することになっていたので、移動中の話題は、撮影後は打ちたてのソバ食えるよな、と全員でモチベーションを上げて行った。
はるかな北へ旅をし、ソバ畑を見学し、ソバ粉を見せてもらい、「このソバを産地にする」という意気込み話を長々と聞いているうちに、メンバーの疲れもだんだんピークに達してくる。やっと待ちに待ったソバ打ちが始まり、組合長がソバ打ち談義を得意気にする中、だんだん空気が殺気だっていくのがわかる。空気はほとんど、「話はいいから、早く、ソバ食わせろよ!」モードだ。
そして、ついに出て来た、打ったばかりの新ソバ!
5分で味が変わると驚かされ、我先にと全員が一斉にハシを付けた。
うっ…うめぇ〜!
その旨さたるや、もう、言葉も仕事を忘れるほどだ。ひたすら無言でずるずるずる・・とソバをすする音が響くばかり。これで、原稿を書かなきゃサイコーなんだけどな〜と心の片隅でチラホラ思いながら、お土産をいっぱいもらいながら、大満腹で帰路に着いたのだった。
さらに、今日はトマト生産者を訪ねる旅…じゃない、取材だ。
メニューは里の駅で大盛りの鶏てん定食で腹ごしらえし、生産者農家では、まるでフルーツのようなトマトをかぶりつき、そのトマトを土産にもらい、帰りは地元自慢の山ぶどうソフトでシメを括った。
さて、明日は? ヒラメ養殖組合でヒラメをサバいてくれるそうだ。
帰りしな、デザイナーが言った。
「ワサビと、クールバッグを忘れんようにしろよ」
かなりホンキの目だった…ぞ。